BASE

BASE株式会社

  • 企業ロゴ付きメール(BIMI)

ネットショップ運営事業者や購入されるお客様の安心・安全のためにフィッシング詐欺対策、メールの開封率向上、サイバー攻撃対策など、幅広い目的で導入を決定

BASE株式会社
Tech Department IT Strategy Division マネージャー 月岡 誠治様
BASE Department Service Reliability Division プロダクトマネジメント 八代 拓海様

“安心して開封できるメール”を目指して—企業ロゴ付きメール(BIMI)/企業ロゴ所有証明書(VMC)導入で信頼性を可視化

BASE株式会社が運営するネットショップ作成サービス「BASE(ベイス)」は、ユーザーが安心してメールを受信し、情報を受け取れる環境を目指し、メールの信頼性向上に向けた取り組みを実施されています。なりすましメール対策設定(DMARC)は2018年から導入検討をすすめ、2020年に対応。2025年には企業ロゴ付きメール(BIMI)および企業ロゴ所有証明書(VMC)を導入しました。

メール運用の現状:多様なツールを組み合わせた配信体制

――どのような種類のメールを主に送信されていますか?

ネットショップ作成サービスとしてショップ運営者にシステムを提供しています。ショップ運営者および、商品購入者向けにトランザクションメール(「購入完了通知」「受注通知」「ログイン通知」「『Pay IDアプリ(※)』のお気に入り登録通知」等)を配信しています。
また、「BASE」からはキャンペーンや新機能のお知らせ、ユーザーからのお問い合わせ対応のメールも送信しています。

(※)BASE株式会社が運営する購入者向けショッピングサービス「Pay ID(ペイ アイディー)」(https://payid.jp/)が提供するショッピングアプリ。

企業ロゴ付きメール(BIMI)/企業ロゴ所有証明書(VMC)導入の背景:ユーザーの「安心感」を高めるために

――なりすましメール対策設定(DMARC)導入を検討された背景を教えてください。

メール不達対策の一環として、取り組みを開始しました。
なりすましメール対策設定(DMARC)のポリシー引き上げは社内で対応しましたが、大きなハードルはなく、スムーズに対応できました。

――企業ロゴ付きメール(BIMI)導入を検討された背景を教えてください。

「BASE」では「だれでも簡単にネットショップが作成できるサービス」として、すべてのユーザーが安心して利用できる環境を提供する責任があります。
この取り組みの一環として、ユーザーに対し、定期的に登録情報の更新を依頼するメール配信施策を進めていたところ、「フィッシングメールのような印象を与える可能性がある」として社内で議論になりました。
「内容の重要性としては、ユーザーに確実に届ける必要がある。しかし、メールの信頼性を毀損することはできない」という状況で、打開策を模索していました。
このタイミングで「企業ロゴ付きメール(BIMI)の導入を検討してはどうか」という声が社内であがり、導入に向けた議論が始まりました。

導入の決め手:確かな説明と実効性のある対策

――なぜ企業ロゴ付きメール(BIMI)/企業ロゴ所有証明書(VMC)の導入を決断されたのですか?

他社サービスの導入状況や、フィッシング対策協議会が推奨する対策、企業ロゴ付きメール(BIMI)対応メーラーの自サービス内シェアなどをもとに、導入によって実現できること・できないことを一つひとつ確認しました。その結果、導入にかかるコストに見合う十分なメリットがあると判断し、導入を決定しました。
BIMIだけではフィッシング対策として完璧とは言えませんが、ユーザー側で送信元を識別できる「最後の砦」として機能する点は、弊社にとって十分な魅力でした。

導入プロセス:チーム連携でスムーズに推進

――導入までのスケジュールやステップを教えてください。

サービスの健全性とユーザーへの価値提供の両立を担うチームがあり、企画・プロダクトマネージャー・開発などのメンバーで構成されています。
このチームで検討から実装までを一貫して進めたため、スムーズに導入まで進行しました。
なりすましメール対策設定(DMARC)がすでに整備済みだったこともあり、大きな課題はありませんでした。GMOブランドセキュリティ担当者からサポートを受けながら、稟議や提出書類についても円滑に進めることができました。

導入効果:メールへの“信頼”が可視化

――企業ロゴ付きメール(BIMI)導入後、どのような効果が見られましたか?。

多くのトランザクションメールを送る中で、受信メールに「BASE」のサービスロゴが表示されるようになり、ユーザーに対して必要な情報を、適切なタイミングで安心してお届けできる状態に近づいたと感じています。
また、今回の対応により、これまでよりも一段上のレイヤーで施策を行えるようになったと感じています。

今後の展望と企業へのメッセージ

――今後、企業ロゴ付きメール(BIMI)をどのように展開していく予定ですか?

BASEグループ内の複数サービスにも導入を広げたいと考えています。段階的に整備を進めていきたいと考えています。

――これから企業ロゴ付きメール(BIMI)を検討する企業へメッセージをお願いします。

導入目的・導入効果をしっかり定義することが重要だと感じています。
また、なりすましメール対策設定(DMARC)や商標登録など、必要な前提条件の整備は、できるだけ早めに対応しておくことをおすすめします。

BIMI/VMC